望まない妊娠、生活困窮、親の反対など、困窮し支援が必要な妊婦は増えています。
- 「特定妊婦って何?」
- 「特定妊婦になるとどんな支援が受けられる?」
など、今回は特定妊婦について気になっている方に向けた記事です。
救済制度を知ることで救われる方がいます。困っている妊婦の方がいたら是非教えてあげてください。
特定妊婦とは?
特定妊婦とは、妊娠中になんらかの理由で産後に公的な支援が必要と認められた妊婦のことです。
2009年に改正された児童福祉法に明記されました。
特定妊婦になった人は、自治体・医療機関・児童相談所などが連携して様々な支援を受けられます。
特定妊婦とはどんな人?
公的な支援が必要な特定妊婦とはどのような人でしょうか?詳しく解説します。
特定妊婦の基準・定義
児童福祉法において、特定妊婦は「出産後の養育について出産前において支援を行うことが特に必要と認められる妊婦」と定義されています。
しかし、特定妊婦の明確な基準は決まっていません。
特定妊婦と認められるケース
特定妊婦として認められるのは、以下のようなケースです。
・経済的に困窮しており、出産費用も賄えない。
・精神障害や知的障害があり、子どもを育てていくことができない。
・パートナーからDVを受けている。
・未成年で親や親族が出産に反対している。
・多胎妊娠しており、出産や産後のリスクが高い。
同様のケースであっても認められるか認められないかは自治体の判断となります。
特定妊婦になると受けられる支援
特定妊婦として認められた人が受けられる支援は、自治体によって異なりますが、以下のようなものがあります。
・母子の心身の健康維持のための支援
・生活支援
・就労支援
・養育支援
・教育支援
具体的な対応例としては以下のようなものがあります。
・出産の受け入れ先の病院を探す。
・金銭的な不安から受診を躊躇する人に対する、受診費用の補助
・保健師や助産師等の家庭訪問
・家事支援サービスの紹介
特定妊婦の背景
特定妊婦は、児童虐待防止のために2009年に作られた制度です。生まれたばかりの新生児が虐待死してしまう事件が増えていることを背景として、立ち上がりました。
特定妊婦と認定される人の数は年々増えており、2019年には8,000人を超えました。これは2009年の約8倍となっています。
これは、増えたというよりも、支援が必要な人が把握できるようになったからと考えられます。
特定妊婦の支援の課題
支援が必要であるにもかかわらず、特定妊婦とは認定されない方も多数います。
妊娠したことを自己責任だと思ったり、誰かに頼ることが苦手だったりする女性たちです。
結果として、母子ともに危険な孤独出産や、ネグレクト、最悪の場合は心中に繋がってしまうケースもあります。
まとめ
今回は特定妊婦についてご紹介しました。妊娠出産って女性にとってとても大変なライフイベントです。周りの協力なしで、1人でできるものではありません。
頼る人がいなかったらどうしたらいいの?と私自身、日々感じていました。特定妊婦という言葉はあまり知られていない気がしますが、いざという時に助けてくれる制度です。
ぜひ、周りに困っている方がいたら教えてあげてくださいね。特定妊婦の申請場所はお住まいの地域によって異なるので、まずは、自治体に問い合わせましょう。