作曲のアイデアが浮かばないときに試したいアイデア|作曲歴18年のプロが実際に行っているアイデアの出し方をご紹介します

「作曲のアイデアが浮かばない」「どんな曲を作ったらいいのかわからない」「曲を作っても同じようなものばかりになってしまう」というお悩みを抱えている方に、プロとして18年間クライアントワークで作曲を行っている私が使っているアイデアをご紹介します。

・作曲のアイデアを出す方法
・ユニークな作品を作る方法
・マンネリ化を防ぐ方法

をお伝えします。

普段聞かない曲を聴いて参考にしてみる

サブスクやYOUTUBEなどを使えば様々な音楽をいくらでも聞くことができます。普段聞かないジャンルの音楽を聴いてみると新しい発見があるかもしれません。そのジャンルの有名曲を数曲ピックアップしてリファレンス(参考)にしてDAWに取り込み、楽器の構成、曲の展開、音像などを参考にするといいでしょう。1曲を参考にすると元曲に似通ってしまうため3曲程度を挙げると良いかと思います。

以下、具体的なアプローチをご紹介します。

使われている楽器をリストアップする

リファレンスに選んだ楽曲をよく聞き、使われている楽器をリストアップしていきましょう。そして、DAWにその楽器に近い音色のトラックを準備していきます。エフェクトなども参考曲のそれに寄せていきましょう。

この際、すべてそのままの楽器の音色で制作を進めてもいいですし、参考曲と似すぎる場合は主旋律(メロディー)を担当している楽器の音色を変えてみたり、数種類の楽器に振り分けてみたり、アクセントになっている楽器を変えてみたり、また、まったく別の楽器を足してみるのも良いかと思います。

楽器やキーを変えてみる

参考にしている楽曲と違いを出すために、楽器やキーを変えてみるのも一つのアプローチです。楽器によっては発音域の違いでがらっと印象が変わることもあります。参考曲と、なかなか差別化ができないときは楽器やキーを変えてみましょう。

ランダムにサンプルを選んでみる

サンプル素材を、試聴せずランダムにいくつか選び、それらをDAWに貼り付けます。そして、必ずその素材を使って曲を作ってみます。ランダムに選ぶので、普段、自分が使わないもの、一聴してミスマッチなもの、キーが合っていないものが選ばれるかもしれません。

それらをうまく組み合わせて形にしていくことで、普段は作曲に使わないような脳の部位を刺激している感じがします(個人的な感想ですw)。もちろん、音程やリズムなどが合わない場合もあるでしょうから、その辺は臨機応変にカットしたりエフェクトをかけたり、例えばギターの音を加工してリズム楽器にしてみたり、と「遊び」の要素が多い作業になりそうです。

こちらも、買ったけどあまり使っていない、といったサンプルパックの供養になり、いい頭の運動にもなるかと思います。

ストーリー設定を細かく決める

楽曲の物語を明確にすると輪郭がくっきりする

ここでいう「設定」とは、楽器の音色やエフェクトの話ではなく、曲のイメージや物語についての話です。例えば「和風」「RPG」「バトル」のようなイメージで楽曲を作っているとします。この場合だと、主人公は22歳、二刀流の剣士で貧しい農民の生まれ。気は優しくて力持ちでなどなど、キャラクター、世界観、武器、技、敵、細かいストーリー、といった設定を書き出していきます。

設定が決まると、おのずと音も決まってくる

「そこまで必要ないんじゃ?」とも思えますが、例えば楽器の音色を選ぶとき、メロディーの最後の一音が上がるのか下がるのか、など「どっちにしようかな?」といういときに「この設定だったらこっちだな」という判断基準が増え、決定が速く明確になります。

人によっては苦手な方もいらっしゃるかもしれませんが、ぜひ一度試しててみて下さい。

使ったことのない音色を使う

マンネリの原因は「スタメン」かも

ある程度、楽曲制作をしていると「こういう時にはこのシンセのこの音色」「こういう時にはこのエフェクト」というように「スタメン」の楽器が決まってくると思います。しかし、それがマンネリの原因になっている場合もあるかもしれません。

思い切って「定番」を排除しよう

そういう時には、思い切って「定番」を排除してみましょう。「よく使う音色」があるということは、逆に「あまり使っていない音色」もあるという事です。その音色/シンセなどをメインにして楽曲を作ってみましょう。同じく、あまり使っていないBPM、拍子などもあれば挑戦してみるのもいいかもしれません。

制限を設ける

「自由になんでもやっていいよ」といわれると、何をしていいかわからなくなる時ってありませんか?作曲でもそういうことがあるかと思います。今や、DAWを使えばトラックの数、演奏のリテイクなどの制限もなく、世界中のありとあらゆる楽器の音色を使えます。様々なエフェクトも使い放題です。

だとしたら、逆に「制限」を設けてみましょう。

楽器の制限

先ほども似たようなことを書きましたが、「良く使う楽器を使わない」と決めるだけで、脳が「えー、じゃぁ何を使ったらいいんだ?」と回転しだすのを感じませんか?

例えば、ピアノを使わないバラード、ドラムを使わないロック、生楽器だけで踊れる曲、など様々な事例が考えられると思います。

機能の制限

先述した通り、昨今の音楽制作ソフトにはあらゆる機能が備わっています。それをいくつか制限してみましょう。例えばトラックの数を3つまでと決めると、かなりアレンジにも影響してくるかと思います。しかし、逆に言えば「作れる曲」の範囲が狭まることで目指すものを設定しやすく、見えやすくなるはずです。

ちなみに、3トラックしか使わないといっても、楽器3種類しか使えないわけではありませんよね?ビートルズが4トラックのテープレコーダーでピンポンを繰り返して楽曲を作ったように、1つのトラックに複数の楽器が入っていてもあり、という工夫もできるかと思います。

自分でテーマを決めて、さらにそのテーマの網の目をくぐって、というチャレンジも楽しそうですね。

”考える”、”選ぶ”の制限

楽器の音色やエフェクトの設定などを選ぶ際、音を聞かずにランダムな数字を放り込んでみると、おもしろい結果になることがあります。例えばサイコロを振って出た目の数字を入力してみる、パッと時計を見て目に入った数字で音色を決めてみる、などです。先述した「サンプルをランダムに選ぶ」もこれに当たると思います。

また、ネット上でバズっているネタをテーマに曲を作ってみる、その日のネットニュースからタイトルを決める、などなど、いつものルーティーンを打破するために様々なアイデアを取り込んでいきましょう。

2時間以内で完成させる、長さが1分ちょうどの曲を作る、など、他にも様々な「制限」が考えられそうですね。

音を出さずに曲を作ってみる

「お前は一体何を言っているんだ!?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、こういうことです。頭の中で大方の構想が完成するまでDAWには触らず、ノートなどに構成をメモして「制作」するのです。

ノートに書きながら作曲する

私が依頼を受けて楽曲を制作する場合、お客さんと打ち合わせをするのですが、多くの場合お話をしながらノートにメモを取っていく中で、頭の中で音楽が鳴りだすことがあります。そのアイデアや構成などを紙に書いてまとめ、自分への「指示書」のような形で残します。そのままお客さんへ渡すことで確認にもなります。

パソコンの前の自分に指示書を書くイメージ

書き方としては、楽器の音色や構成(どこでどんな風に盛り上がる)、といった音楽的な説明や、先に挙げた「物語を決める」時のように抽象的なイメージ(かっこよく、優しくなど)や、シーンを想起させるような「2人乗りの自転車で夕暮れの河川敷を走っているイメージ」などのような、様々な視点で書いていくと良いかと思います。

楽器を触るとどうしても「手クセ」が出てしまい、「いつもの自分」から脱却したい方にはお勧めです。

まとめ

とにかく、このご時世、ネットを掘れば様々な情報に出会うことができます。題材に困ったら「○○〇 BGM」で検索してみるなど、自分がまだ知らない新しいジャンルに出会える工夫を、日々積み重ねていきましょう。当然、ネットだけでなくリアル、音楽だけでなく様々なエンタメやアートに触れるといった努力を怠らずにしたいものですね。

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