バレンタイン は終わってしまいましたが、先日チョコレートを子ども達と作りました。なんとカカオ豆から!
もともとカカオの児童労働問題やフェアトレードに関心があった私は、今回、カカオ豆からチョコレートを作れることにとても感動しました。
もっと多くの人にカカオ豆からチョコレート作りの体験をしてもらいたい、また、カカオの生産地の問題やフェアトレードについて知ってもらいたいと思い、かなり力を入れて書きました。
長くなりますが、最後まで読んでいただければ幸いです。
カカオ農園で働く子どもたちはチョコレートを食べたことはありません…
チョコレートの原料であるカカオの多くはコートジボワール、ガーナなどの西アフリカで生産されています。
西アフリカのカカオの生産者の多くは貧しい小規模農家で、危険な作業であっても子どもが労働力になってしまいます。
最悪な場合、子どもだけ労働者として買われたり、誘拐されて強制的に働かされていることもあります。
2001年4月13日に西アフリカのギニア湾で、10歳から14歳の子ども139人を乗せた船が消息を断った事件が報道されました。船に乗っていたのは近隣の国から連れて来られた子どもたちで、ベニンからガボンに入り、そこからコートジボワールなどのカカオ農園で働くために売り渡されるところだったといいます。
報道によると、船は目的地であるガボンの港で上陸を拒否され、ベニンへ引き返したのですが、船には23人の子どもしか乗っていなかったそうです。処分に困った船長が子どもを投げ捨てたと疑われていましたが、真相はわかっていません。このニュースがきっかけで、欧米を中心に労働者として人身売買される子どもがいること、そしてカカオの栽培に児童労働が使われていることが世界中に知れ渡りました。
http://acejapan.org/childlabour/report/chocolate
チョコレートの原料であるカカオは先進国に輸入され、加工されてチョコレートとなります。そのため、カカオ農園で働く多くの子どもたちはチョコレートを食べたことも見たこともありません。
そして、カカオの多くは、カカオ生産者から直接輸入されるわけではなく、仲介業者を経て取引される為、どういった環境で作られたのかがわかっていません。
私たちが普段美味しく食べているチョコレートは、劣悪な環境で強制的な児童労働によって作られたカカオが原料なのかもしれません。。。
劣悪な児童労働を無くすために私たちにできること
甘いチョコレートにそんな苦い事実が隠されているなんて、、、とショックを受けた方、そんなこと言われても遠い日本に住む私にできることなんてない、、、と思う方へ、児童労働を無くす為に私たちにできることは色々あります。
現地を支援しているNGOに寄付をする
世界の子どもを児童労働から守る為の活動しているNGOであるACEは、ガーナのカカオ生産地域での支援活動「スマイル・ガーナ プロジェクト」を行っています。
カカオ生産地での危険な児童労働から子どもを保護し、就学を徹底することを目的としたプロジェクトです。子どもがしっかりと学校に通うようになることで児童労働を予防し、カカオ農家が継続して子どもの教育に投資ができるよう、カカオ農園の経営を改善し、農家の収入向上を目指しています。
ガーナのカカオ生産地域での支援活動「スマイル・ガーナ プロジェクト」とは
ACEへの支援はチョコ募金やサポーターとして毎月寄付することもできます。
ACEは「認定NPO法人」なので、寄付金控除/税額控除の対象にもなりますよ!
フェアトレードチョコレートを買う
寄付はちょっと・・・そんなにお金ないし・・・という方も多いかと思います。そんな方にはフェアトレードチョコレートの購入をオススメします!
年に一回のバレンタイン の時だけでも、いつもより高級なチョコレートで、みんなを幸せにするチョコレートを買ってみませんか?
ちなみに私が購入したことがあるフェアトレードチョコレート※は、昔からフェアトレードのブランドとして有名なピープルツリー、第3世界ショップ、グリーンコープが販売しているATJのパプアのチョコレート、お洒落なパッケージのゾッター社、福岡県北九州に最近お店もオープンされたチョコロンブス、バッグのマザーハウスの新ブランドであるリトルマザーハウス、22歳の起業家の女子大生にクラファンで支援したMAAHA CHOCOLATEです。
※生産国の人や環境に配慮しているものであってもフェアトレードとは記載していないものや、コミュニティトレードや民衆交易など異なる名前で記載されてあるものもあります。
児童労働を無くす活動を応援している企業のチョコレートを選ぶ
とは言っても、フェアトレードチョコレートって高いですよね。たまになら良いけれど、毎日チョコレートを食べたい人にはちょっと厳しいかもしれません。
そんな方はせめて、児童労働を無くす活動を応援している企業のチョコレートを選びましょう。値段は普通のチョコレートと変わらないので嬉しいですよね。
森永製菓「1チョコ for 1スマイル」
「1チョコ for 1スマイル」は森永製菓が2008年に始めた活動です。
対象商品を購入すると1個につき1円がACEの「スマイル・ガーナ プロジェクト」を通じて、ガーナなどカカオ生産国の子どもたちの教育支援に使われます。
対象商品は、ダースシリーズ、カレ・ド・ショコラシリーズ、小枝シリーズ、森永ミルクチョコレートシリーズ、ミルクココア、カカオの力、板チョコアイスとなっています。
スーパーなどどこでも安く変えるチョコレートを通じて支援できるのは気軽で嬉しいですよね!
有楽製菓の「スマイルカカオプロジェクト」
有楽製菓は30円で買えるブラックサンダーを製造販売している会社です。ブラックサンダーなどにはココアホライズン※認証のチョコレートが使われています。
※Cocoa Horizon(ココアホライズン)財団とはカカオ農家の繁栄に焦点を当て、自然と子どもたちを守る自立した農業コミュニティの構築を支援するプログラムです。
http://acejapan.org/choco/ladybird-choco#02
また、有楽製菓はACEが行う「スマイル・ガーナ プロジェクト」にも売上の一部を寄付しています。
ブラックサンダーって悪そうな見た目なのにwwwもともとブラックサンダー好きだけどそのギャップがたまらなく好きになりました!!!笑
イオンのフェアトレードチョコレート
大手企業の中でいち早くフェアトレードの取り組みを始めたのはイオンです。イオンのトップバリューではフェアトレード認証マーク付きのフェアトレードチョコレートを100円から販売しています。
2002年にお客さまから「日常生活を国際貢献と結びつけるパイプ役になって欲しい」との要望をいただいたのが始まりです。お客さまを主役に、イオンだからこそできる国際貢献の形として取組んだものが「フェアトレード」です。
https://www.aeon.info/sustainability/social/fair_trade/
フェアトレードチョコレートを作る?!!
カカオの児童労働を無くす為に私たちができることは、寄付したりフェアトレードチョコレートを買うことだと私は長年思っていました。
しかし、今回、きちんと取引されたカカオ豆を買ってチョコレートを手作りするという選択肢があったことに気がつきとても驚きました!!
現地の支援になるだけではなく、我が子への食育にもなって、親も楽しめて一石三鳥ではないでしょうか?!
カカオ豆はネットで簡単に入手することができ、カカオ豆を販売している会社の多くが、フェアトレードなどで、生産地の人々や環境に配慮していますよ!
カカオ豆からチョコレート作り!ダリケーの手作りキット
今回私はDari K(ダリケー)というインドネシアで高品質のカカオ豆を生産している会社が販売しているチョコレートキットを購入しました。
ダリケーはカカオ農家にカカオ豆の発酵技術を指導し買い取ることで、高品質なカカオ豆の生産とカカオ農家の所得を向上を実現させています。
リトルマザーハウスがダリケーとコラボしているということで知りました。ダリケーではチョコレートキットだけなく、チョコレート菓子も販売されていますよ。
それでは、ダリケーのチョコレートキットの中身や実際にチョコレートを作った過程をご紹介しますね。
同梱されている冊子を確認
チョコレートキットの箱には、カカオ豆80グラム、チョコレートの型、作り方の冊子の3点が入っています。
作り方の冊子には、カカオについての説明や、カカオ豆からチョコレートができるまでなどが詳しく書かれています。
冊子にはフリガナも付いているので小学校中学年くらいのお子さんなら自分で読むことができると思います。
我が家の6歳の本好きの長女に読ませようとしましたが、少しまだ説明の言葉が難しく、早くチョコレートを作りたい!となって全然読んでくれませんでしたw
チョコレートを作る為に用意するもの
Dari K(ダリケー)の手作りチョコレートキットを使ってチョコレートを作る為に必要なものは以下の通りです。
- カカオ豆(キット)
- 型(キット)
- フライパン&へら
- 鍋
- すりこ木&すり鉢
- スプーン
- 砂糖30g
多くの家庭には揃っているものばかりかと思います。
それでは実際にこれらを使ってチョコレートを作った手順をご紹介します。
手順①カカオ豆を洗う
まずはカカオ豆をお米を研ぐようにゴシゴシとよく洗います。水が汚れてくるので、綺麗な水に取り替えましょう。
「5分くらい洗って水が濁らなくなったら大丈夫」と作り方には書いてありますが、結構水は汚れ続けたので5分以上洗った気がします。
後半は、カカオの皮が剥がれて水が濁っている気がしたので、水は濁っていましたが洗うのを止めました。

カカオ豆を洗った後は、よく水分を拭き取りましょう。我が家では、キッチンペーパーで拭き取りました。

簡単にしか拭き取らなかったのですが、もっとしっかりカカオ豆の水分を拭き取っておけば焙煎の時間がもっと短縮できた気がします。
手順②フライパンでカカオ豆を焙煎
フライパンにカカオ豆を入れ、弱火で焙煎します。10分〜20分でパチパチと豆がはじける音がすると作り方には書いてありましたが、10分たっても20分たってもパチパチという音は聞こえてきませんでした・・・。

20分すぎて待ちきれずに一部皮を剥き始めた頃、かなり大きい音でパチ!!!と音が鳴りました。その後何度かパチ!!と弾ける音が聞こえましたが、全ての豆がはじけたのかは謎でした。
手順③カカオ豆の皮をむく
焙煎出来てそうな豆から取り出して皮を剥きました。家族4人で皮を剥きました。3歳の次女でもむくことができました。

ただ、皮を剥く時に、中の豆が割れたりしてこぼれやすいので要注意です。
手順④すり鉢とすりこ木でカカオ豆を砕く

皮を向いたカカオ豆はすり鉢の中に入れ、すりこ木で砕いていきます。
簡単に砕いた状態がカカオニブになりますが、カカオニブからパウダー上になるまでもっともっとグリグリやります。
フードプロセッサーを使うと時間短縮になるらしいですが、私たちは全て手作業で頑張りました。
手順⑤湯煎する
砕いてサラサラになったカカオ豆を湯煎します。お湯が中に入らないように要注意です。

手順⑥砂糖をいれる
滑らかになったらお砂糖30グラムを入れます。作り方には白砂糖となっていましたが、我が家ではマスコバド糖というオルタートレードジャパンの民衆交易で作られたお砂糖を使いました。
少しずつ加え、固まってきたら再度湯煎しながら混ぜます。サラサラになるまで頑張りましょうと作り方には書かれていましたが、サラサラにはなりませんでした笑
手順⑦さらに混ぜ続ける
さらに混ぜ続けているとなめらかになって艶が出てくるそうですが、力つきました。もうこれくらいでいっか。
手順⑧型に入れて冷やして完成!
なめらかにはならなかったドロドロ?のチョコレートをスプーンで型に入れました。

少し型に入りきれなかったチョコレートは牛乳に溶かしてココアにしてみました。
冷蔵庫で2〜3時間冷やして完成と作り方には書いていますが、1時間もせずに子どもたちが待ちきれずに出してしまいました。

まだ早いと思いながらも型から外してみると、意外と綺麗に固まっていました。なめらかなチョコレートでは全くなかったですが、思ったより美味しかったです。子どもたちも苦いと言いながらもパクパク食べました。
最後に・・・
今回カカオ豆からチョコレートを作ってみて、また、この記事を書く為に改めてカカオについて調べて思った私の感想をご紹介します。
実際にカカオ豆からチョコレートを作った感想
チョコレートをカカオ豆から作るのはめちゃくちゃ大変でした!!!通常のチョコレート作りの工程よりもかなり簡略化されたものでかつ、レシピに書いてあるほど滑らかになるまで混ぜませんでしたが、それでも大変でした。
手作りチョコレートがめちゃくちゃ高い理由がわかったし、子どもたちとも一緒に楽しめたし、何より私自身が良い経験でした。
ただ、あんまり上手くは出来なかったのでリベンジしたいですwww
今回はキットに入っていたカカオ80g分のチョコレートを作りましたが、カカオさえ買えば作ることが出来そうなので次回は500gか1kg買ってみようかなとか思っています。
カカオの現状について改めて調べた感想
私が初めてカカオと児童労働の話を知ったのは、今から13年程前で当時のフェアトレードチョコレートのほとんどが海外で生産されていました。
あの頃に比べ、フェアトレードという言葉や概念は少しずつ広まり、大手企業さえもカカオ生産国への支援を始めたというのはとても素晴らしいことだなと感じています。
一部の意識高い人だけではなく、誰でも身近に出来ることは増えてきていると思います。
また、国際協力に関わりたいと思った時、NGOで働くとかフェアトレードショップで商品を売るなどの選択肢の他に「チョコレートを作って売る」という方法もあるなと思いました。
現地に行って活動したり、都会のNGOで働くなんてことは難しいけれど、「個人でチョコレート屋さんを起業するだったら出来る!」っていう主婦の方とかいないかなーなんて思いました。
ちなみに、雑な性格の私にはチョコレート作りは難しいので、今後もこういった情報をブログで発信することで国際協力に携われたら良いなと思いました。
まとめ
- チョコレートの原材料であるカカオは児童労働が問題となっているが、それを無くすための活動は広がっている。
- 私たち消費者がカカオの児童労働を無くす為に出来ることは、NGOへの寄付、フェアトレードチョコレートの購入、また、NGOへの支援を行っている企業のチョコレートを選ぶことである。
- さらに、フェアトレードのカカオ豆を購入できるようになった為、カカオの児童労働を無くす為に、カカオ豆からフェアトレードチョコレートを作るという選択肢も増えた。
- カカオ豆からチョコレートを手作りするキットはDari K(ダリケー)というインドネシアで高品質のカカオ豆を生産している企業が販売している。
- カカオ豆からチョコレートを手作りするのはとても大変だが、子どもの食育にもなるし、大人にとっても初めての経験で面白いのでオススメ。
- 国際協力に携わりたい人の選択肢として、カカオ豆からチョコレートを作って起業するという選択肢もあるのではないか。
カカオ豆からのチョコレート作りに興味を持った方は是非一度お試しください〜♪
【追記】
ちなみにこの記事を読んでいただいたMAAHA CHOCOLATE代表の田口愛さんより、チョコレート作りに米粉用のミキサーをオススメしてもらったので追記しておきます〜!
田口愛さんいわく、「これからもっとたくさんチョコを作りたい!ということであればこちらの米粉用のミキサーを使うと5分ほどで完成しますよ☺️
ちょっと高いですが、毎日カカオの香りに包まれ、出来立てのチョコレートを食べる体験は最高なので良かったら🙏🏻✨」
とのことでした〜!!