「母親になって後悔している」
なんて言葉はなかなか口に出せませんよね。
そんなこと思うなんてひどい母親でしょうか?母親になって後悔している女性とはどんな人なのでしょうか?

こんにちは、2児の母のatsukoです。
私は我が子はとても可愛く大切な存在なので、子どもを産んで良かったと思っています。
しかし、一方で母親という役割や子育てを辛いと思ったことは何度もあります。
今回は、「母親になって後悔している」という衝撃的なタイトルの本や、この本をきっかけとしたNHKの調査、また、これらを読んだ私自身の考えまでご紹介します。
この記事が、母親の役割や子育てについて考え直すきっかけとなれば良いなと思います。
新潮社の本「母親になって後悔している」とは?
「母親になって後悔している」は2022年に新潮社から発売された本です。著者はイスラエルの社会学者であるオルナ・ドーナト。
「母親になって後悔している」と回答した23人の女性への様々な質問と回答を通じて、母親になった理由や後悔、社会から与えられるプレッシャーや役割などについて迫っています。
今まで話題にすることがタブーとされたテーマを取り上げたにも関わらず、世界中から共感の声が集まりベストセラーとなっています。
ちなみに、私は図書館でこの本を予約しましたが、数多くの予約が入っていたため手にするまでに半年以上かかりました。
NHKのクローズアップ現代が調査した日本の母親の後悔
「母親になって後悔している」はイスラエルの母親の話です。日本の母親はどのように考えているのでしょうか?
NHKのクローズアップ現代が、この本を受けて日本の母親に対して取材を行いました。
母親になって後悔している日本の女性は3人に1人
NHKはインターネットを通じて10代から70代の母親にアンケート調査を実施し、6528人から回答しました。
参考:“母親にならなければよかった”?女性たちの葛藤 6000人アンケート結果
その中で、母親になって後悔したことは一度もないと答えた人が64%。
残りの母親は、一回以上後悔したことがあるまたは答えたくないと回答しています。
「母親にならなければよかった」と1回以上思ったことがあるのは1149人で、全体の32%でした。
これは意外と多い数字ではないでしょうか。
母親になって後悔した経験があると回答した母親に対してのみ、引き続き以下の質問を行いました。
ほとんどの母親が子どものことは愛している
「自身の子どもに対して、愛情や大切だという思いを持っているか」という質問に対して、「とても当てはまる」または「やや当てはまる」と回答したのは、全体の96%でした。
母親になったことを後悔している女性のほとんどは、子どものことを愛しているのです。
母親になったことを後悔した理由は責任の重さ
母親になったことを後悔している理由を尋ねたところ、多く選択された回答をご紹介します。
- 自分は良い母親になれないと思う
- 子どもを育てる責任が重い
- 子どもとのコミュニケーションが上手く行かない
- 自分が子育てに向いていない
- 子育てに伴う家事負担の重さ
どの回答も子どもに対するものではなく、自分の負担が重たいことを指しているような気がしました。
母親は自分の人生を生きられない
「母親になったことで自分の人生を生きられていないと感じますか?」という質問に対しては、全く感じないが21%で、たまに感じるが34%、時々感じるが25%、よく感じるが11%でした。
合わせると、自分の人生を生きられないと感じたことのある母親は7割という結果でした。
私が「母親になって後悔している」を読んで思ったこと
私はこの本のタイトルだけでとても興味を持ち、実際に読みました。色々と思うところがあったので、その感想をご紹介します。
ひどい母親ではなく正直で真面目な母親
「母親になって後悔している」なんて考えるなんて、ひどい母親で絶対言ってはいけない言葉な気がしますよね。
でも、実際に本を読んでみると、どこにでもいる普通の母親の声ばかりであることに気づきます。
インタビューを受けた女性たちの声は、わかるわかる、と共感できる内容ばかりであり、決して彼女たちが特別で悪い母親とは思えません。
すごく真面目で正直に自分の気持ちと向き合っている人たちです。
母親の役割はもっと軽くて良いのでは?
「母親になって後悔している」という言葉自体が強烈なので、多くの母親はそんな言葉を使うことはなかなかできません。
しかし、このタイトルや趣旨を他の言い方に変えるならば「母親の役割が重すぎて苦しんでいる女性たち」だと思います。
母親の役割が重すぎて苦しんだ経験のない母親なんていないのではないでしょうか。
母親だから〇〇して当たり前、母親なのに〇〇するなんて、、、など言われることは多いですよね。
なぜ父親ではなく母親だけがこんなにも求められるのでしょうか。子どもから求められるのは仕方がないですが、社会全体が母親に多くを求めている気がします。
母親だからしてはいけないことや母親だからしなければいけないことは、本当は何もないんじゃないでしょうか。
社会が期待する母親の役割をもっと軽くしてほしいと思うし、母親自身もその謎の呪いから自らを解放してあげられたらいいなと思います。
子どもとって「社会が期待する母親」の存在は本当に必要なのか?
母親になると自分の時間がなくなるだけでなく、主体が自分ではなくなってしまいます。
〇〇さんの奥さんや〇〇ちゃんのお母さんとしか呼ばれなくなりますよね。
母親は自分のために生きるのではなく、子どもや家族のために生きるべきなのでしょうか。
子どものために、自分を犠牲にして自分自身を失うことが本当に子どものためなのか?私はとても疑問を感じます。
一方、子どもの為に何かをするのが生きがいであるという母親も少なくないはずです。母親になるために生まれてきたと言える人は羨ましい限りです。
しかし、長年、母親としてのみ生き続けていると子離れするのがとても難しいのではないかとも思います。
子どもはいつか親を必要としなくなります。いつまでも子離れできない親は、子どもにとっても負担になるのではないでしょうか。
私が過保護に育ったからかもしれませんが、自分の母親に対しても、もっと私に構わず自分自身の人生を生きて欲しいと思います。
私も我が子には、ついつい手出し口出ししたくなります。
自分が産んだ子どもなので、どうしても自分の一部のような気がしているからだと思います。
しかし、母親しかできない役割なんて本当はほとんどありません。母親しかできないのは、産むことと授乳することくらいです。
そして、自分は自分で、子どもは子ども、別の人間なんです。
「母親」という役割にこだわって縛られる必要はないのではないでしょうか。
母親だから、子どもだから、ではなく、自分も1人の人間として、我が子という別の人格を持つ人に対して、お互いに尊重しながら関わっていけたら良いなと思っています。
気になる方はぜひ読んでみてくださいね♪よかったら感想もコメント欄よりお聞かせください!