2015年から民泊ホストをやっていますが、ここ数ヶ月お客さんが全然来ません・・・涙
- 民泊って儲かるって聞いたけど、コロナの影響でどうなってるの?
- 民泊新法って聞くけど何がどう変わったの?
- これから民泊始めたいけれど、今後の市場はどうなるの?
- 最近上場した民泊サイトAirbnbってどうなの?
という疑問に、申請等全て自力でやってきた民泊ホスト歴5年の主婦が詳しくお答えします。
まず、現状から言うと、お客さんは激減です。コロナの影響で需要が激減し、さらにgo to トラベルなどでホテルが安くなったことも原因かと思います。
しかし、私は民泊にまだまだ希望を持っています。周りの競合民泊が減ったからこそ、今から頑張る意味があるのではないかと思っています。
民泊新法(住宅宿泊事業法)による民泊への影響
民泊の経営が厳しいのは、コロナの影響と見られがちですが、実はそれだけではありません。2018年6月に、通称民泊新法と呼ばれる住宅宿泊事業法が施行されたことにより、多くの民泊が無くなりました。
民泊新法が施行された経緯
2013年以降、訪日外国人旅行者が急拡大する都市部を中心に民泊が急に広まりましたが、当時は民泊に対する法制度が整っていませんでした。
我が家が民泊を始めた2015年は、民泊サイトAirbnbが日本で普及し始めていた時期でした。当時、Airbnbの説明会では、民泊は法的にグレーゾーンだと言われていました。
当時は許可を取らずに誰でも民泊を始めることが可能でしたが、治安や騒音に対する問題などが浮上し、2018年に施行されたのが民泊新法でした。
年間180日が受け入れの上限
以前は、宿泊業を行う際には旅館業法という許可をとる必要がありましたが、民泊新法の施行により、旅館業法の許可を取らずに合法的に民泊を行うことができるようになりました。
民泊新法は旅館業法よりもハードルがかなり低いため、民泊にお客さんを奪われることを恐れた既存のホテルや旅館から猛反対されました。
その為、民泊新法には年間180日までしか営業出来ないというルールが追加されました。
「民泊はホテルや旅館のお客さんが溢れた時だけ利用してね」ということだと思います。
この180日ルールは、我が家のように自宅で副業や趣味感覚でやっているホストには影響はほとんどありませんでした。もともと年間100日も営業していませんでしたからね。しかも自宅で自分で掃除もやっているので特に維持費がかかっているわけでもありません。
しかし、完全にビジネスで民泊をやっていた人たちからすると大打撃です。物件借りて、人雇って、投資して利益を回収しようと思っていた人達は、採算が取れなくなり民泊業を辞めていきました。
申請が面倒
我が家のような趣味で行うホストにとって、金銭的な影響はなかった民泊新法ですが、手続きが大変という理由で多くの趣味のホストが辞めてしまいました。
民泊新法が出来るまでは、誰でも10分もあればAirbnbに登録して民泊ホストを始めることが出来ていました。1回だけやってみようとか、年に数回しか受け入れないというホストも多くいたと思います。
Airbnbの説明会に参加したその日に、まだ部屋も用意できていないのに登録したところ、予約が入ったので慌てて片付けたのが我が家の民泊の始まりでした。
写真も掲載していなかったし、詳しい説明も載せていなかったのに、安いってだけで予約が入っていました。
民泊新法が施行される少し前から、違法民泊には最大100万円の罰金が科されるようになり、民泊サイトAirbnb上でも、許可番号がないと宿泊施設の予約受付ができないようになりました。
当時私は、民泊の一旦受け入れを停止し、申請の為の情報を集めて手続きを行いました。市役所や消防局に何度も行ったり電話したりしながら数ヶ月かかってなんとか許可をとることができました。
始まったばかりの制度のため、現場の理解がなかったり混乱していたりで、かなり手続きが大変だったのを覚えています。
民泊新法の施行から2年が経った現在は、恐らくもっとスムーズに取得できるのではないかと思います。
消防署の許可をもらい、申請の為の書類を集めれば割と簡単に取れる許可ですが、民泊をちょっとやってみたいなーという方にはハードルが高すぎるかと思います。
申告が面倒
民泊新法の施行により、都道府県に宿泊実績を報告する必要が出てきました。方法は都道府県で異なるかと思いますが、私が住む福岡県では、2ヶ月に一回電子申告を求められます。
割とPCやネットに強い私でも時々混乱するシステムなので、デジタルに慣れてない人には少し難しいんじゃないかなと思います。
さらに、福岡県では宿泊税も最近始まったので、2種類の申告を定期的に行う必要があります。お客さんゼロでもゼロ申告してるんですよ・・・涙
コロナによる民泊への影響
民泊新法の施行により、かつてグレーで行っていた民泊の多くは淘汰されてしまいましたが、民泊新法の届け出の数は年々徐々に増加してきました。
しかし、面倒な手続きと制限をクリアした合法な民泊は、現在コロナの影響で多くの廃業届けが出されています。
外国人観光客の減少
コロナの影響で、入国の制限がかかり外国人観光客が激減したのはいうまでもないですよね・・・。我が家の民泊では約9割が外国人観光客だったので、かなり需要が減ってしまいました。
国内外の需要の変化
コロナの影響で多くの人々の旅行の方法が変わりました。プライベート環境が保てる貸し切りタイプの民泊は、コロナ禍で国内観光客からの人気が出たようです。
一方、交流を楽しむゲストハウスや、我が家のようなホームステイ型の民泊は国内観光客からの需要も少なくなってしまいました。
go to トラベルの影響
我が家の民泊が、国内観光客からの予約もほとんど入らなくなった一番の理由は、go to トラベルの実施にあると考えています。
予約サイトAirbnbでは、go to トラベルが始まった当初、go to トラベルには対応していませんでした。
go to トラベル対象の高級ホテルや旅館が実質半額になり、ビジネスホテルはさらに値下げし、もともと安さも売りであった我が家のような民泊の価格面での魅力はなくなってしまいました。
現在、Airbnbはgo to トラベルに対応しており、広告も出しているので、今後はプライベートが保てる高級な民泊に関しては人気が高まるかと思います。
今後、民泊はどうなるのか?
民泊新法の施行により、民泊で簡単に稼げたり、気軽に趣味や遊びで民泊をやってみる時代は残念ながらもう終わってしまいました。
さらに、コロナ禍で、民泊新法の制限の元でやってきた民泊の多くが廃業または廃業の危機にさらされています。
今後、民泊業で生き残るためにはどうすれば良いのか、今後民泊はどうなっていくのかを考えてみました。
本業でも趣味でもなく副業としてやる
かつては民泊で稼ぐ!など騒がれていましたが、法律や海外情勢、さらにコロナなどの感染症の影響を受けまくる民泊を本業で行うのは大変危険だと思います。
本来、民泊とは海外からの急な需要増に対して、自宅や空き家を使って対応しようという趣旨のものです。
もし本業でやる場合は、民泊新法ではなく、旅館業法をとって行うべきものだと思います。
また、民泊新法施行前までは、気軽に趣味で行うこともできましたが、今は出来ません。お金を頂くからには、きちんと申請・申告・納税して、責任を持ってやりましょう。
お金はいらないから気軽に趣味でやりたいという場合は、ホームステイの受け入れやカウチサーフィンなど別の制度やサービスを利用したら良いと思います。
設備投資は最小限に、既存のものを活かす
コロナで収益が見込めず、また民泊新法の下で180日の制限がある現状、民泊に対して初期投資を行うのは大変危険です。
これから民泊を始めたいという方は、自宅や空き家を活用するなど、新しいものを買うのではなく、今あるものを使って設備投資は最小限に留めましょう。
また、維持費も出来るだけかけないようにしましょう。
我が家の民泊がコロナ禍でほとんど予約が入らなくても廃業せずにいられるのは、自宅で維持費がかかっていないからです。
ホテルや旅館と差別化する
以前は、ホテルや旅館に空きがなく、民泊に流れてくるお客さんがいました。我が家の場合も、福岡で有名ミュージシャンのコンサートがある日などは、福岡市中心部で宿の予約が取れなかった為、1時間近くかかる久留米にまでお客さんが流れてきていました。
しかし、現状は、ホテルや旅館もお客さんが来ずに苦しい状況です。ホテルなどと同じことをやっていてもお客さんは流れてきません。
「ホテルが空いていないからどこか近くの民泊に泊まる」ではなく、「〇〇だからあの民泊に行こう」と思ってもらえるような民泊にする必要があると思います。
民泊サイトAirbnbとは
最近になり、オリンピックのスポンサーだったり、株を上場したりで話題の民泊サイトAirbnbですが、もともとは2人のホストがサンフランシスコの自宅にゲストを受け入れたのがきっかけで始まったサービスです。
我が家はこのAirbnbというサービスとの出会いがなければ民泊を始めることはなかったと思います。
民泊サイトAirbnbは単に宿泊場所を提供するのではなく、体験や交流を提供しているサービスです。
コロナの影響の現在は赤字となっていますが、コロナ後の復活を見込まれてか2020年12月に上場後、株価は上昇中です。
日本では、民泊はかなり厳しい状況にありますが、世界的にみると体験を提供する宿泊に対して大きな期待がかけられているのではないかと思います。
まとめ(結論)
- 民泊はコロナの影響で大打撃です。
- 2018年に民泊新法の施行されたことにより、年間180日営業のルールや申請・申告が必要になり、民泊で収益化や民泊を気軽に始めることが難しくなりました。
- 民泊新法により多くの民泊が淘汰され、さらにコロナで多くの民泊が廃業しました。今後、民泊が生き残るためには、既存の施設を生かし、ホテルなどと差別化し、副業で行うことが大切だと思います。
- 民泊サイトAirbnbの株価は好調で、体験を提供する宿泊は世界的に期待されています。
個人的な想い・・・
稼げるか稼げないかでいうと、現状かなり厳しい民泊です。それでも、過去5年間に経験した、素晴らしすぎる経験をどうしても取り戻したい想いで試行錯誤中です。
コロナが終息さえすれば、外国人観光客は再び戻ってくるはずです。泊まることの目的は人それぞれです。日本に宿泊する際の選択肢がホテルや旅館だけになってしまうのはとても寂しいと思います。
世界中のバックパッカーが集まるゲストハウスなどの安宿もどんどん廃業に追い込まれています。ホテルや旅館に空きがないから民泊に泊まる人だけではなく、民泊に泊まりたくて日本に来る人もいます。
我が家は自宅で民泊を行っている為、潰れることはありません。だからこそ、細々とでも継続して、ホテルや旅館では得られない経験を提供し、また私達自身も素晴らしい体験をこれからも民泊ホストを通じてさせてもらいたいと思っています。
我が家の民泊はこちら↓(※コロナ第三波の現状、リフォームを計画中で積極的な受け入れは行っておりません。)